前職(新薬開発)の悪い癖か?
農業始めて最初のころは作業しててもいかに効率化するか、いかにスピードアップするか?みたいな発想がすぐに出てきた。
都会から手伝いに来てくれた会社員の友人・知人も同じような助言をしてくれた。
作業の効率化、スピードアップは、別に悪いことじゃない。
地元の農家さんも段取りから無駄な動きがなくて効率的な動き。
だけど過度には求めない。
作業が途中でもお昼が来たら休む。
以下、私見ですが…
日本の世の中、
効率化でコストダウン、スピードアップを、突き詰めてきた。
その結果、人は幸せになれたのか? 疑問に思う。
高度成長期には、皆で頑張って働くことでインフラや住居や家電など、生活水準が上がることで幸せを実感したんだと思う。
でも、今はそんな時代でもない。
正確な時刻を示す時計は、少しの遅刻でも許さない空気を生んだ。
ひたすらスピードアップを進める新幹線は、より忙しい暮らしを生んだ。
企業努力と言うコストダウンの闘いは、従業員の給与も削った。
安くて高品質の商品は、短期間での買い替えを促し、ごみを増加させた。
かく言う自分だって物価上昇はキツイし、100円均一も良く行く。
でも、テレビで価格破壊みたいな飲食店をもてはやす番組を観ると、「人件費も無視して儲けないことが美徳なのか?」という疑問が浮かぶ。店主は人をもてなすのが好きでやっているから良いのだろうが、消費者がそういうのを当たり前に求めてしまうと経済は...
芸能人が田舎の農家を訪ねて行くと、売り物の野菜をただで貰えて喜ぶみたいな映像も、それが当たり前という消費者心理を作ってしまうのでは?と心配になる。
農業の世界でもJGAPという、製造業と同じプロセス管理と品質管理の考え方が普及されつつある。より効率的により高品質にと。
でも、例えば養鶏のように効率化を推し進めてきた業種は、どうなったか?
卵の値段は、世の物価上昇に反してずっと据え置きで「価格の優等生」と言われる一方、儲けは削られていき、今や事業継続も難しくなっている。
酪農(牛乳)の世界も同じようなもの。
米農家も機械化で、作業は効率化され高齢者でもできるようになったが、機械の代金を払うために若手は働きに出て農業は片手間の仕事になった。片手間の仕事は、若者がやりたい仕事にはならないだろう。
色々な面で、日本人の勤勉さや実直さが裏目に出てしまっているのかもしれない。
お客さまサービスもやりすぎてしまう。
ごく一部の客が言ったことを真に受けて全体に反映してしまうから、どんどんやりすぎてしまう。
お客さまは神様ではない。
自分たちで自分たちの首を絞めている感じがする。
環境にも負荷をかける。
何事も「過ぎたれば及ばざるがごとし」だ。
国際社会の中、経済で勝ち残っていくには効率やスピードも大事なのだろう。
でも、その先には待っているのは、一部の人たちだけが裕福になって、大半の人は苦しい暮らしが続く。そんな格差社会なのではないか?
いつから日本は「貧困」が当たり前にはびこる世の中になったのか...
シンプルに、「幸せな暮らし」をするには、どうしたら良いのか?
国(政府)はそんなことを考えてはくれない。
人は人、自分は自分。
周りの人や世の中に依存しすぎず、
自分で考え、自分で選ぶ、自分で行動する、そんな生き方にシフトしないといけない気がする。
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