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執筆者の写真暁良 西村

獣害 Animal Damage

米も野菜も

農作業は獣との闘いですね


この集落あたりだと

タヌキやハクビシン、カラス、モグラ、ネズミなどの先住民がいます

こいつらは常に目を光らせていないといけません


サルは6-7年前に30頭ほどの集団がやってきて、

枝豆やトウモロコシが壊滅させられたことがありましたが、

それ以降は、群からはぐれたサルが1頭来るくらい


鹿はたまに目撃情報を耳にしますが、大きな被害は出ていません


深刻なのはイノシシ

ここは雪深くて

イノシシがいない土地と言われてきました

しかし3年ほど前に小雪の年があって

それ以来、毎年イノシシ被害が出るようになりました

温暖化と里山の荒廃によって周辺地域でイノシシが増えているからでしょうか?


こんな獣たちに対して

人は、ネットを張ったり、案山子や風車を立てたり、光や音で驚かす機械を設置したり

更には電気柵で圃場を囲んだり

さまざまに知恵を絞って対抗していますが、

到底、防ぎきれるものではなく

無残に喰い散らされた野菜を手に

憎き獣どもに忌々しく悪口を言うのが関の山です


でもこれはあくまで人の都合


獣たちにしてみれば

生き残るために必死に食べものを捜しているだけのこと


しかも、これは植物たちにとっても有難いこと

獣たちが実を食べて

種を運んでくれるのを待っているのです


植物の実が熟してくると

赤や黄にハデに色づいて

甘くなるのは

獣に見つけてもらって食べてもらうためで

人に食べてもらう為じゃないのです


そう、植物にとって獣は「害」ではなく「益」なのですね


話によると、

原種と言われる植物の実は本来あまり美味しくないそうです

あまりに美味しいと獣がその場にとどまってしまって

種を遠くまで運んでいってくれなくなるから

敢えてそこそこの味にして

獣が少し食べたら立ち去るように仕向けているのだと


ものすごい狡猾な企てです


こんな生き物たちが積み重ねてきた生き残る知恵に

人はなかなか太刀打ちできませんね





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